「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方
きっかけ
複数の本屋で平積みになっているのを見かけ、タイトルからして気になった。それと、本の帯。ただ、この本を読んでいるのを部下には見られたくないと思った。一度、ちょっとだけ立ち読みして、やっぱりこれはほしいと思い、後日買うことにした。
ボディショップは、あ、あれかと知ってはいるけど何も買ったことはないし、スターバックスも知ってはいるけどコーヒーはまったく飲まないし、喫茶店(※)はタバコ臭いから大嫌いだしで、著者の経歴と私をつなぐものは何もないと思われたが、まあ、それもまた逆にいいだろうとも思った。
※スターバックスはいわゆる喫茶店とは違うというのは外から見ても分かるけど。
感想など
字がちっちゃい!ビジネス書なのに、というのが本を開いての最初の印象。ビジネス書=字が大きい=行間が広い=読みやすいとという先入観が私にはあるので、ちょっと意外だった。内容が素晴らしいので、量が多いのはうれしかった。
この本は、バブルの時代にはまず出なかっただろうなあと思う。当時、まだ学生でありビジネス書なんて読んだこともなかったけど。まじめにコツコツやるのが一番!という日本人好みの内容になっている。実際、著者の努力はすごい。高校、大学での野球への取り組みなど、誰でも真似ができるものでもない。
だから、この本は手っ取り早く成果を出したい人にはまず向かない。しかし、こういう本を切望していた人も多かったのではないか。地味でも誠実に仕事をこなし、そして成果をあげている人も多いはず。すると、いつの間にか望んでいなくても出世させられたりしてしまう。きっとそれで悩んでいる人も多いだろう。リーダーには、確かにリーダーにしかない悩みがある。
ヒトは社会的な動物だから、必ずリーダーが必要になる。ボス猿である。しかし、もともとのヒト社会の大きさ、単位からいえば、リーダーはほんの一握りで、あとはリーダー以外の構成員だったはずだ。狩りにいくときの小さな単位でのリーダーなどももちろんあっただろうが、それとてそれほど大きな役割はなかったのではないかと思う。
それに対して現代は、おそらく原始時代とは比較にならぬほどの数のリーダーが必要とされているはずである。だから巷にはリーダーシップ論があふれるのだろう。リーダーなんて無理だよ、もともと自分はリーダーのタイプではない、そう思いながらリーダーの役割を負っている(負わされている)人も多いと私は思う。
上記のような戸惑うリーダーにはもちろん、リーダーというポジションにいる人は読んで損のない本だと思う。
私自身は、この3年間は上司にも部下にも恵まれ、私が責任者を務める部署は3年連続目標達成!「ついていきたい」と思ってくれている部下も間違いなく何割かはいる。だから、すがるような気持ちではなく、どんなことが書いてあるのかなあくらいの軽い気持ちで読んだ。すぐにできる役に立つこともいっぱいあったし、なにより、これでいいんだと思えることがやはりたくさんあった。
著者、岩田松雄の半生のダイジェスト・エッセンスをたった1400円+消費税で追体験できるとは、本とは改めてなんと安いものなのだろう。
もっと安い手段として、以下のような動画もアップされているので興味がある方はどうぞ。著書に書かれているようなことが語られている(私は最初の10分くらいしか見ていない)。話が特にうまいというわけでもなく、ああ、やはり誠実な方だ、やっぱりなあという印象を持った。
この本を読んで私がすぐ実行するようになったことは、本を読んでいて気に入ったところがあれば、名刺を挟むようにしたこと。そのことが書いてあるP202とP203には名刺がはさんであって、今これを書きながら、パッとページを開くことができた。私が本を読むのは、現在は通勤時間なので、名刺をはさむというのはナイスアイデア!名刺なら必ず持っているし、すぐはさめる。本のしおり用に1箱名刺を発注しようかと思ったくらいである。本当は付箋がいいのだが、持ち運びや出し入れが意外と面倒なのだ。
「第3章 リーダーは部下と飲みに行かない」というのが一番うれしかった。私は常々、業務時間内に、アルコール抜きで本音をさらけ出しあう関係を職員と構築していきたいと思っていた。酒が入らないと本音が言えない人間関係はとてもさびしいものだと思う。有名企業のCEOを務めるような日本人でも同じ考えを持っている人がいたことをとてもうれしく思った。
(まだけっこう?書き足す予定。次に書き足すときはこのパラグラフは削除する)(その後、だいぶたち、何を書こうとしていたか忘れてしまったよ…2013.5.2)
これを書く段になって初めて気づいたが、各章のタイトルがすべて否定文だ。これはめずらしい(多分)。
はじめに、この本を部下に読んでいることを知られたくないと思ったが、読んでいる途中で(立ち読みしているときかもしれないが)、部下に弱みを見せてはいけないというのは思い込みだなと考え直した。
期せずして、今日で私が管理職になって満10年だ。明日から11年目。さあ、またがんばりましょう。
購入・各種データ
「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方
関連サイト
混沌の間>混沌の書棚>
「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方
初回更新:2013-02-28 (木) 11:40:37
最終更新:2013-05-02 (木) 08:50:16
a:2286 t:1 y:1