つながる力 ツイッターは「つながり」の何を変えるのか?

感想など

読むんじゃなかった

読むんじゃなかった。あ、本書をではなく、アマゾンのレビューを、である。アマゾンにリンクを張るために飛んでいったら、思いのほか評価が低いので、え?なんで?とこちらを書く前に全部そちらを先に読んでしまった。

勝間和代ってアンチも多いんだなあ。まあ、人気がある証拠だな(ってもしかして今さらか)。私はどちらかというと勝間和代好きだけど。

芸能情報にはとことん疎いので、広瀬香美のことはまったく知らなかった(ごめんなさい)。クミゴン(妻)は『ロマンスの神様』の人でしょっ、と知っていたが、私はその『ロマンスの神様』も知らなかった。動画でコンサート風景も見たが、やはりワンフレーズの聞き覚えすらなかった(ごめんなさい)。

この二人がツイッターを日本に広めた張本人たちなのか?アマゾンのレビューを読むとそう取れる。まったく知らんかった。

ツイッターは何が違うのか

私自身はけっこう前にツイッターのアカウントを取得していたが、実際に使うようになったのはつい最近だ。はじめは何が面白いのかまったく理解できなかった。勝間和代もそうだったというところがまず興味深い。

そもそも、ツイッターと一行の掲示板と何が違うのかが最初はわからなかった。混沌の間にも一行の掲示板が設置してありメビウスの輪と名づけて、一時は非常に流行った(さらにそれも仕掛けがあるのだが、それは知る人ぞ知るである)。時間差チャットのようになるのが面白い。そして、一行の掲示板だと気軽に書き込める。これはツイッターもほぼ同じ。この気軽さというのは非常に重要な要素。まあ、その点は2ちゃんねるもいっしょかな。

ただ、掲示板だとみんなが設置者のところに集まるのに対し、ツイッターはそれぞれがタイムラインをもっている。100人いれば100通りのタイムラインが出来上がる。これは使っているうちにやっと理解できた。

タイムラインが自分固有のものという点ではブログも自身固有のものといえるが、ツイッターは何より手軽さが違う。この手軽さが繰り返しになるが、重要だ。そして、つながり。

そのゆるいつながりと拡散の速さこそがツイッターの特徴だろう。本書のタイトルが『つながる力』というのはまさに的を得ていると思う。拡散の速さは、結局は手軽さから来ている。

本書の感想など

随所に、ほほぉと思うことが本書には書いてある。例えば、P52の「ツイッターは現実のコミュニケーションの縮図」というところ。一部引用すれば、

同好の仲間と狭く深い付き合いをする人もいれば、社交的でどんどん友達をつくっていく人もいること

など、まさにそうだと思った。私などは前者だ。本書ではフォロワー100人を当面の目標にすると良いと書いてあるし、ツイッターの醍醐味は確かにそうなのだろうが、私にはまったく興味がない。だから、フォローする人も厳選する。大量に情報が流れて、大量に消費をするのは、仕事であれば別だが、プライベートではやりたくない。

P56の元は日経NET IT-PLUSの一部抜粋・再編集である

日本のツイッターユーザーの平均年齢は意外と高く、10代~20代ではなく、30代~40代前半が中心となっている。

というのは、おそらく今とは違うのではないだろうか。本書の出版は2009年12月20日だし、その元の記事は2009年の8月3日に書かれたものである。

私がツイッターに注目したのは、震災のときに活躍したからではなく、スマートフォンの普及によって、電車内でスマホを使ってツイッターをしている若者を良く見かけるようになったから。

この2年間でのスマホの普及は爆発的といっていいだろう。本書にも出てくるが、ツイッターとスマホの相性はかなりいいと思う(私は使ってないけど!)。

病身糞穂の、もとい、秒進分歩のネットの世界で2年以上前の本というのは、すでに内容が一部古くなるのはやむをえない。それでも根幹の部分は変わっていないだろうし、最後の創業者との対談は非常に興味深い。

「テクノロジーの勝利」ではなく「人間性の勝利」

なんて台詞にはしびれるねえ。願わくば、改訂新版を望む。

出会い

ところで、順番が普通とは前後するが、私がこの本をどのように知ったかを記しておく。

ツイッターを利用し始めてしばらくしてから、おすすめユーザーのところに何度か干場弓子が出てきた。干場弓子という名前は(敬称略で統一しています)私が学生の頃から知っていた。彼女をそれこそ学生時代から?知るMさんから、「美人で、頭が良くて、すごい人なんだ」と聞いていた。

そんなこともあって、さらに弟もそうしているので私もフォローしてみた。初めて(そして現段階でも唯一の)有名人のフォローである。いろいろリツイートされるので、なかなか面白かった。いや、むしろ、これで初めてツイッター面白いと思えたかもしれない。『改訂版 図解1時間でわかる経済のしくみ』などはツイッターをきっかけに購入した。

そのうち、干場弓子の話し相手に勝間和代登場?飛んでったら本物だった!当たり前か。そこで勝間和代の公式ブログ(ちょうどリニューアルしていた)に行って、本書を知った。

てな具合で、ツイッターがなかったらここまでたどり着く可能性は非常に低かった。ちなみに、本書が干場弓子が社長を務めるディスカヴァーから出版されていると知ったのは、実際に本を手に取ったときである。

補足

そうそう、それで思い出した。大切なところを触れ忘れた。P108のデジタルデバイドのところ。この単語の存在自体忘れていたが、ここは重要なところ。

震災のとき、顧客へは電話連絡だけでは間に合わないので、くわしくはホームページでという対応もしたが、うまくホームページが見られない等の苦情が何件もあった。正直、驚いた。うまく見られない人は見られないんだと。

ホームページでそうならば、これがツイッターとなるといよいよその格差は大きくなるだろう。ツイッターを活用する人とそうでない人と。私の息子などはすさまじく活用している。私もとてもではないがついていけない。

そしてまた、著名人が活用するのと一般人が活用するのとはわけが違う。それはブログでも同じだが、ツイッターはスピードが違うだけに、その格差の広がり方も大きい。

コスト面でのツイッターへの参入障壁(というか参加障壁?)はきわめて低いが、では誰でも気軽に始められて、そして楽しめるかというと、それは違うのだろう。まあ、楽しむという点では、若者はそうでもないと思うけど。

そんなことは考えてもみなかったが、デジタルデバイドについて、今後もうちょっと意識してみようと、刺激になった。これが一番良かったかも。

補足その2

ここの文章を読み返すと、いろいろいい足りないこともあり、また後からまた考えたことを付け加えたくなる。自分の中ではツイッター体験がはじまったばかりだからということもあるだろう。

「著名人が活用するのと一般人が活用するのとはわけが違う」と先に書いたが、一般人から著名人に簡単にコンタクトを取りやすいというのもツイッターの利点だ。有名人の二人による本だから、「今まで知りえなかったような人とおしゃべりできる」となるが、一般人の視点に立てば、簡単に有名人としゃべれる、となる。

それはブログでも同じことが言えるのだが、ブログは1対多のコンサート形式であるのに対して、ツイッターは大勢の人がいるパーティ内の小グループでの会話形式であるといえるだろう。

小グループといっても、有名人の場合はとんでもない大きさの「小」グループになるといえるわけだが。

また、気になる「荒らし」についてだが、ブログの場合は、他人の庭を汚していくのに対して、ツイッターの場合は、自分のタイムラインにコメントが残るので、自分の庭を汚すようなものだというたとえは非常にわかりやすかった。

購入・各種データ

アマゾンにリンクを張ってあります。

つながる力 ツイッターは「つながり」の何を変えるのか?

関連リンク

  • マインドマップ的読書感想文
    ここもまた私がうまく表現できなかったところが書かれています。「強者に有利なプラットフォーム」というところ。
  • ディスカヴァー社長室ブログ
    出版2ヶ月前のわくわく感が伝わってくる。ちょっとした裏話も。それにしても掲載されている写真がひどい(ケータイで撮ったものなのか?明らかにシャッター速度が遅い)

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初回更新:2012-04-06 (金) 11:05:12
最終更新:2012-04-07 (土) 09:14:16
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