わが友いもむし 日本産スズメガ科幼虫図譜

感想等

幼虫図鑑でこれはブドウスズメの幼虫でしょうかと質問した際に、atozさんよりハネナガブドウスズメの幼虫と区別がつきづらいとのことでハネナガブドウスズメを調べていたら、出てきたのが本書。

日本産のスズメガの幼虫53種の水彩画集。幼虫は、ほとんどの種で複数の絵が描かれている。成虫の絵も必ず1つはある。また、1種につき1ページ文章だけのページもあり、著者の思い出話とともに似た種の同定にも役に立つ。

この思い出話が、著者の人柄が表れていて、いい。たとえば、エビガラスズメのところは一部抜粋することこんな感じ。

私は12才の時にカリエスを発病し、戦中から戦後にかけての約10年間を一進一退の闘病生活に明け暮れた。(中略)1957年の10月初旬、その手術の予定も決まって待機中のある日、麻布のお宅の庭のアサガオに大きな芋虫が沢山いる、との電話を戴き、祖母に取りに行ってもらったのが、このエビガラスズメなのである。なんと16頭もの終令虫は、私にとって手術前の不安を吹き飛ばす何よりの贈り物であった。

風の谷のナウシカもびっくりな女の子だ。

書籍データ・購入等

自費出版であり、入手困難。と、思われたが、調べたところ、重版されていて、昆虫文献 六本脚で買えるようだ。

購入は以下のページの真ん中あたりから。ちなみに、今現在で残部僅かと出ている。


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2011-11-27 (日) 14:29:53
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