ファスト&スロー

きっかけ

昆虫にとってコンビニとは何か?』『「自然との共生」というウソ』の著者である@takapalauさんの以下のツイートがきっかけ。

本が届いてから知った。帯を見て。著者は心理学者なのにノーベル経済学賞を受賞していたことを。それより帯の裏に(裏の帯というべきかな)、

4『ビジョナリーカンパニー』のようなビジネス書は役に立つ?

と書いてある。『ビジョナリーカンパニー 2』もいっしょに買ったのは何たる皮肉か。

タイトルのファストは何のことだろうと読むまでわからなかった。fastのことなんだな。fastをファーストとせずファストとするのは、ディズニーランドのファストパスチケットくらいしか私は知らなかった(ファストをgoogleで検索)。このファストの謎に引っ張られたというのも興味を持った一端としてある(ファウスト?ファシスト?となぜか頭の中で言い換えた)。

それにしても地味な装丁で、誰かに紹介されなければ、著者のことも無知で知らなかったし、まず自分で手にすることはなかっただろう。高橋敬一さんに感謝。

感想など

まだ上巻を6割くらい読んだだけだが、読み終わるまで待つと感想を書きそびれそうなので今のうちに書いておく。

期待にたがわず、めっちゃ面白い!これでもか、これでもか、これでもかとあれこれ出てくる。いくつか知っている実験も出てきた。『スタンフォードの自分を変える教室』で初めて知ったマシュマロテストも出てきた。

ヒトがいかにして間違った判断を下すかという実例は実に興味深い。ああ、自分もあの時ああやっちゃったなあというのから、他人のあのときのあれやらこれやら、はたまた、こりゃ仕事に使えるというヒントが盛りだくさん。素人だけでなく、専門家でもいかにエラーを引き起こしやすいか驚くほどだ。それほど強烈なことが調べられている。

私自身は知的好奇心を満足させるだけでも十分だが、消費者をだましてお金を巻き上げるお客様に素敵な商品を効果的に紹介して買っていただくためにも使えるだろう。もちろん、各種スピーチやトークにも生かせる。

ここでは名刺を挟んであるところから1ヵ所ときのう電車の中で読んでいてまさにこれと感じることの多いところを引用しておく。

P82。

お金のプライムを受けた被験者は、受けなかったときより自立性が強まったのである。(中略)しかし、その一方で利己心も強まった。

プライム(先行刺激)とは何か?というヒトは、ぜひ読んでくれ。

P209。

利用可能性カスケードは自己増殖的な連鎖で、多くの場合、些細な出来事をメディアが報道することから始まり、一般市民のパニックや大規模な政府介入に発展するという過程をたどる。また、リスクに関する報道が特定グループの注意を引き、このグループが不安に陥って騒ぎ立てるという経過をたどることもある。感情的な反応それ自体がニュースの材料となり、新たな報道を促し、それがまた懸念を煽り、大勢を巻き込んでいくわけだ。(中略)高まる一方の恐怖感や嫌悪感を和らげようとする科学者や評論家はほとんど注目されず、されたとしても敵視されるだけだ。危険が過大評価されていると口にしようものなら、誰によらず、「悪質な危険隠し」とみなされかねない。

前半は当てはまらないが、後半は原発事故に対する社会の反応そのものだ。「社会」というよりは「放射脳」と揶揄された人たちの反応そのものだ。各種SNSのおかげでこのような一連の流れが可視化できるようになったのは、パニックが広がりやすくなった一方でよいことなのかもしれない。

とりあえず今日はここまで。

購入・各種データ

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ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?
ファスト&スロー (下): あなたの意思はどのように決まるか?

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初回更新:2013-03-14 (木) 15:05:34
最終更新:2013-03-14 (木) 15:05:34
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