ユングの性格分析

女の子に話しかけられるようになった「運命の本」

そのうち死語になるだろうが「草食系男子」という言葉はすっかり市民権を得ている。本当に「草食」な「男子」なんていないと私は確信しているが、今風に言うと、当時の私も草食系になるだろう。自分から声をかけることなどとてもできなかった。それについてはまた後ほど。

ユングの性格分析は、内向的と外向的の2つにさらに

  1. 思考型(合理的な機能)
  2. 感情型(合理的な機能)
  3. 直観型(非合理的な機能)
  4. 感覚型(非合理的な機能)

の4つで、2×4=8タイプに性格を分ける。これがすべて正しく、万能であるはずもないと思うが、いい加減な血液型性格分析よりは、控えめに言ってもずっと役に立つだろう。

この本自体、初版が1988年、つまり昭和63年でいささか古いところ(たとえばすっかり死語の「新人類」など)もあるが、ちょうど四半世紀たった今でもそのまま当てはまるところもある。当時の若者が今は中年になっているわけで、なんだ、今も昔も変わらないじゃんと今回ちょっと読み直してくすっとしたところもあった。

裏表紙を見ると著者は1923年生まれ。え、すると今年90歳…。Wikipediaで調べたら1992年没。そんな前に亡くなっていたとは…。衝撃。それでも没後にも続々本が出ていたことには驚くとともにちょっと納得もいく。ちなみに、私が持っているのは1992年4月24日第11刷だ。このときにはもう亡くなっていたのか…。

私は外向的直観型!?

初めてこの本を読んだとき(学生時代に確か図書館で借りた)、自分は外向的直観型だと思った。以下のような記述は今でもかなりセルフイメージと重なる。

外向的直観型の人は、安定した状況の中では息がつまりそうになり、新しい対象や方法を手に入れるときには、異常なほど熱狂することもある。

そうそう。変化がないと死にそう。

外的な客体とかかわって、そこに可能性を嗅ぎ出すのが得意なので、自分の能力を多方面に伸ばせるような職業につきたがる。

実際、そうだった。けっこう何でも屋の今の仕事は、けっこう気に入っている。一つのことしかやらないとか無理。だから、なにか専門を持つというのがいやだった。

道徳観もまた、知的でも感情的でもない彼独自のもので、自分の直観に従って行動し、そのためには周囲のものの身体的幸福感などは、自分自身のものと同様、気にもかけない。そのために、思いやりのない非道徳的な人とみなされる。

道徳観、うん、確かに。例えば、本当に自然保護をしたいなら、ヒトを減らすべきとさらりと言ったりする。冷たいって思われるよね。ただ、身体的幸福感については、最近はちょっと変わったかな。

将来性のあるすべての少数者に対する生来の味方であって、人々の中から何らかの能力や可能性を予感する力を持っているために、人々を「育て上げる」こともできる。

育て上げられているどうかは自信がないが…。将来性というのはすごく好き。ヒトを見るときにもそこを今でも見る。

新しい事項に向かう勇気を与えたり、感激を吹き込む点では、誰にも負けない能力を持っている。(中略)それは意図してやっている芝居ではなくて、彼自身の運命なのである。自らの生を簡単に、周囲のものや人に浪費しててしまうので、周囲は生き生きするけれども、自分自身は疲れきってしまう。

そう、演技じゃないの。芝居じゃないの。最近は、自分自身が擦り切れないようにってことはだいぶ意識しているけど。

一般に直観的な人が身なりを構わないことは、例のよれよれコートが売りものの、コロンボ警部を考えてみればわかるかもしれない。

そう、着るものほとんど無頓着。ここには引用していないが、同じものばかり着るというのも同じ。ちなみに、私は考えながら話すとき、けっこう刑事コロンボ風だ。しゃべり方似ているなって、今でもよく思う。

思考型もよく当てはまる。それは外向よりも内向の方がより当てはまる。そして、一番当てはまらないのが感覚型。感情型もほとんど当てはまらないが、当てはまる順でこんな感じだ。

直観型>思考型≫感情型>感覚型

主機能と副機能があり、主機能が合理的ならば副機能は非合理的とされ、さらに直観と感覚、思考と感情は正反対とされるので、上の順番はつじつまがあっている。

なにかと誤解の多い内向的な性格

この本で読みやすく、一番興味が沸きやすいのは、第5章女性の性格・男性の性格、第6章「新人類」と「旧人類」で、少し抽象的で理解しづらいところがあるが外せないのが、第3章「タイプ論」の理論と構成である。

もう子供ではないし、子供に興味はあるが、まだ子供はおろか彼女もいなかったので、第4章子供の性格は、最初はさらりと流していた。初めて読んだときは飛ばしたかもしれない。当時は今以上に本は最初からよりも好きなところから読んでいたから。

しかし、そのうち、P100が非常に気になった。少し長いので、断腸の思いで、ごく一部だけを抜き出す。

先生は器用な手つきで手伝ってやった。ところが先生は、期待した感謝の言葉の代わりに、どうにもならない悲しみの暴発に出会ってしまった。その子は「もうこれは私の作品じゃない」と言って、泣きじゃくるばかりだった。
 典型的な内向的な子にとって、作品の出来ばえなどはどうでもいいのであって、その作る過程が喜びであり、楽しみなのである。

小4の3学期の通知表のコメントに

公共の仕事はしっかりできるのに、ノートの記入をはじめ自分の作品、作業をきたなくすませるため、あなたのよさがよごれてしまいます。

とあるが、このときの工作のことをよく覚えている。理科の天秤だ。アイスの紙のカップに紐を通したが、その紐をビニールテープにして、ぐちゃぐちゃだった。タコ糸のような細いものに、他の友達のようにアドバイスどおりしなかった。まさに、作品の出来ばえなどはどうでもいいのであって、その作る過程が喜びであり、楽しみなのである。そのことを思い出した。

そして、あ!と思った。私は内向的なのだと。明るいから、自分が内向的だなんて考えたこともなかった。でも、明るいから外向、暗いから内向ではないんだな。そこに誤解がある。内向的なヒトというのは、よく慣れた環境だと外向型と区別がつかない。そういうものだと思う。だから自分で自分のことがわかっていなかったのだ。

自分が内向的だということを自覚してから、改めて本を読み、そして、いろいろな場面を思い返してみると、実にしっくりくること多数だった。ただ、著者が外向的なのか、内向的な性格については、ちょっと記述が弱く、わかりづらいことが多い。あるいは内向的な人間同士でも、タイプが異なると内向的ゆえわかりづらいと言うことかもしれない。

有名人でも、なにかと世間とぶつかり、それでいて態度を変えない人というのがいる。みんな内向型と見ていいとおもう。『「有名人になる」ということ』にも書いたが、勝間和代、サッカーの中田英寿や野球の落合博満などは内向的だと思う。中田ヒデなんて典型的でしょう。ああ、この人、内向的なんだなあと思いを馳せたとき、私なんかはその人が愛おしくて仕方がなくなる。なにしろ私は将来性のあるすべての少数者に対する生来の味方ですから!

馬鹿な女に、感情が未熟な男~リア充になる!ために~

もう疲れてきた。続き書かないとダメ?一番書きたかったのは内向的についてだったんだけどねえ。ちょっとだけよ。あんまり書きたくないんだよな。全女性を敵に回す可能性があるから。まあ、おいら内向的だから、わかる人がわかってくれればそれで満足なんだけどね。

簡単に言うと、本書によると、女は思考力が弱いが感情が豊か。そして、その感情はけっして非合理的な機能ではなく、合理的な機能。ユングの性格分析の一番えらいところは、男であるユングがこれを喝破したことではないかと思う。

女は思考力が弱く、平たく言えば馬鹿だと言っているわけで、男ならそれはわかっていても、今の世の中だとなかなか言い切れるもんじゃない。ただし、頭のいい女の人も確かにいる。その場合は、思考力ではなく、直観が優れていると。言われてみると、なるほどなあというところだ。

ええ、ここにいたって女性の読者が感情的になって、怒ってこの先を読んでくれなくなるのを非常に恐れているのですが、どうか優れた感情機能を駆使して、落ち着いていただきたい。

男は思考が発達している代わりに、感情が未発達で未熟。だからうまくコントロールできない感情を抑圧しようとするし、感情が合理的な機能だなんて、思いもよらない、普通は。だから、男と女、本書に習って言えば、女と男、どちらが優れているわけでも劣っているわけでもない。得意不得意があるわけで、だからこそお互いに惹かれあうし、補っていける。

私は高校生から大学生にかけて、激しく女を求めていながら、一方で激しく女を馬鹿にしていた。この矛盾が自分でもどうしようもなかった。それが、この本を読んで、私は救われた。

そして、男と女はこうも違うのかと驚いた。そして、自分は感情が未発達なのだというあまり認めたくないことを改めて自覚してみると、いろいろな謎が氷解した。そして、それ以来、多少時間はかかったが、女を馬鹿にすることはなくなった。ほぼ同時に、男の感情の未熟さを指摘する女には苛立ちを覚えるようになった。かつての自分も似たようなものなのにね。

リア充を呪いながらも、リア充を激しく求めている若者よ!だまされたと思って読んでみ。1,000円しないんだから。きっとヒントが得られるよ。役に立てば破格だよ。

外向的思考型について少しだけ

内向性との絡みで、そうそう、ここだけはちょっと触れておきたかった。

世間で成功している大部分の男性は、外向的思考型である。

仕事で結果を出すために、自分の中で軋轢を感じながらも、外向的思考型としての振る舞いをだいぶするようになってきたなあと、読み返しながら感じていた。もともとの性格はともかく、いろんな意味でバランスをとるために、それぞれの機能を伸ばしたりするんだなあ。

かつては、かわいい女の子というのが本当に苦手だったけど、今ではかわいい女の子というのを求めている。

購入・各種データ

画像は楽天ブックスアマゾン、文字はアマゾンにリンクを張ってあります。私が持っているのは黄色い表紙の方。講談社現代新書、昔の黄色い表紙の方が好きだったんだけどな。印刷コストがかかるんだろうな。

売れてます、売れてます、売れてます!

ユングの性格分析 (講談社現代新書)

関連サイト

ユングの性格分析」でググッたら、最初に出てきたのが

診断テストが簡単にできるのでやってみた。その結果は、

外向的思考タイプ 5内向的思考タイプ 6
外向的感情タイプ -1内向的感情タイプ 5
外向的感覚タイプ -7内向的感覚タイプ 4
外向的直観タイプ 2内向的直観タイプ 9

本を読んで自分で想像したのと大体あってますね。もうちょっと外向的直観タイプの点が高くてもいいと思ったけど。


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初回更新:2013-07-12 (金) 00:52:38
最終更新:2016-05-13 (金) 02:32:24
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