内向型人間の時代

内向型人間の時代

内向型が力を発揮する時代へ

私は『ユングの性格分析』のところにも書いたが、大学生のあるときまで自分のことを外向的だと思っていた。本書にもあるとおり、そう思いたがる内向型も少なくないはずである。なぜならば、『ユングの性格分析』にも書いてあるが、今は外向型全盛の時代だからだ。

それがネットの普及によって、内向型でも活躍しやすい時代になった。むしろ、これからは内向型が本領を発揮できる時代ではないか、そう考えていたところに、タイムリーに本書と出会った。

顧客には、「私はこんな仕事をしていますけど、内向的なんですよ。もともと人前で話すのなんて無理です。初対面も苦手です」と言うとたいてい、ウソでしょ?という顔をされる。という話をこの前、部下二人にしたら、二人とも「内向型でしょ」と笑いながら返してきた。

少したってからどこでそう判断したか聞いてみたら、2年ちょっと私と仕事している「僕は内向型ですよ」という部下は「休みの日に一人で公園に行って、虫の写真を撮っている人が外向的だったら、どうすればいいんですか」と言ってきた。入社8ヵ月半の彼女は言いづらそうだったので、無理に言わなくていいよといっておいた。「なんでそんなこと聞くんですか?」というから「自分がどう思われているかは、興味ある。気になるでしょ」と私はこたえた。

すべての内向型人間へ、そしてすべての指導的立場のある人へ

さて、内向型の人は、絶対に読んだほうがいい。内向型というのはもともと劣等感を抱きやすいようだ。それから、外向型のリーダーの人、絶対に読んだほうがいい。さまざまなヒントが得られるはずだ。教育関連の人にもぜひ読んでほしい。

本書を読みながら、組織を動かすのには、もちろん人を動かすことに他ならないのだが、外に基準がある外向型を動かすのはさほど難しくない、内に基準がある内向型をどう動かすかが重要な鍵ではないか、ということに今さらながら気づいた。

いろいろ書きたいことがあるのだが、ちょっと時間がないので、内向型への応援歌ともいうべきところを、少し長いが引用しただけで、今はおしまいにしておく。P220、

 もし、あなたが内向型ならば、持って生まれた能力を使ってフローを見つけよう。内向型は持続力や問題を解決するためのねばり強さ、思いがけない危険を避ける明敏さを持っている。財産や社会的地位といった表面的なものに対する執着はあまりない。それどころか、最大の目標は自分自身の持てる力を最大限に利用することだったりする。(中略)だが、大切だと思えるプロジェクトにいったん集中すれば、自分がかぎりないエネルギーを持っていることに気づくだろう。

ちなみにフローとは、その前のページに書いてあるが、「人間が物事に完全に没頭し、精神的に集中している状態のことだ---遠泳でも作曲でも相撲でもセックスでも」。『スタンフォードの自分を変える教室』もそうだが、セックスという言葉が女性の口から簡単に出てくるところはアメリカ的だ。

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内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

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初回更新:2013-07-17 (水) 09:43:24
最終更新:2015-05-10 (日) 13:56:04
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