原子核(げんしかく)

+1の電荷を持つ陽子?と電荷のない中性子からなる原子の中心部にあるもの。

陽子同士はプラス同士なので電気的に反発しあう。しかも、静電気力(クーロン力)は距離の二乗に反比例するので、近づけば近づくほど大きな力となる。例えば、プラス同士ならば10倍近づけば100倍、100倍近づけば10000倍反発する力が強くなる。原子核の大きさがどれくらいであるかは、原子を参照。

陽子同士のとてつもなく大きい反発力にさらに打ち勝って、中性子も含めていっしょにくっつけなければ原子核ができない。それには非常に大きな力がいる。

その力が、その名も4つの力でも一番強い「強い力」だ。そのまますぎる名前だが仕方ない。この強い力(強い相互作用)に関する研究で湯川秀樹は日本人として初めてノーベル賞を受賞した。

よく言われるのが、陽子と中性子(あわせて核子という)が中間子をキャッチボールすることによってくっついているというのだが、これではなにがなんだかさっぱりわからない。初めてそれを本で読んだとき、キャッチボールしたら反作用で遠くに離れてしまうのではないかとさえ思った。

それはともかく、強い力は距離に対して指数関数的に働くので、近距離では非常に大きいが、少し離れると急激に小さくなる。そのため、ごく局所的にしか働かない。その到達距離が原子核の上限を決めている。

つまり、核子の数が増えると、互いの大きさで距離が離れていくので核子間に働く力(核子力)が急激に弱くなり、電気的な斥力を抑えられなくなってしまう。すると原子核が維持できなくなる。だから、元素というのは無限にできるのではなく、自然界に存在するのは92種までとなる。

自然界に存在するのは、という気になる表現の続きは、元素のページの自然界にない元素のところで。

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初回更新:2012-04-28 (土) 03:38:51
最終更新:2012-05-06 (日) 16:40:19
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