底抜けブラックバス大騒動

感想など

著者の池田清彦は、あとがきで

私は本当はこんな本を書きたくなかった。

と本音を漏らしている。タイトルにはブラックバスが入っているが、ブラックバスそのものに関しての記述はわずかで、それを象徴とした外来種問題についての書である。

この本自体は以前から私も時々書き込みをしているブログの自然観察者の日常:池田清彦著『底抜けブラックバス大騒動』で知っていた。同じ著者の『生物多様性を考える』に外来種問題はさんざん本書で議論したという一文があったので、改めて読んでみたしだい。

私にとってはそんなに目新しいことがないが、池田清彦の本を読んだことがない人ならば、驚きの連続かもしれない。期せずしてほぼ同時期に読んだ、まったく分野の異なる『略奪大国』と共通した内容があるのは興味深い。そこには「日本らしさ」があるからだろう。

出版社がつり人社なので、当然ブラックバス擁護の内容にはなるのだが、話はそんなに単純ではなくて深い。一見軽く書かれているので、さらっと読んでしまうと、おそらく誤解しまくることになる。アマゾンのレビューを読んでもそれがわかる(現段階で11件あり)。反対派は冷静に読めてないからねえ(そうではない人ももちろんいるけど)。この種のものがいかに感情論かというのがはからずもよくわかる。

でも、人を動かすのは論理ではなくて感情なんだよね。だから論理的な本よりも感情的な本の方が良く売れる。論理的で感情に訴えるのが一番いいのだろうが、それはきわめて難しい。攻撃的な感情を抑制気味にすると皮肉になるし、感情をあおると扇情的になるし(これはトートロジーか)。

個人的には、次のフレーズが一番心に響いた。

保護もできないのに絶滅させられるか

ただし、文脈無視しちゃうとまったく別の意味になっちゃうから注意。P36です。きっとここだけ切り取って誤解するヒトがいると先に予言しておきます。 

購入・各種データ

画像も文字もアマゾンにリンクを張ってあります。

底抜けブラックバス大騒動

混沌の書棚>>底抜けブラックバス大騒動

初回更新:2012-07-13 (金) 13:31:46
最終更新:2012-07-13 (金) 13:59:19
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