睡眠と脳の科学

寝る子は育つ?ちょっこし長めの前置き

『睡眠と脳の科学』表紙・クリックで拡大

私は小学生までは、8時までに寝ろと言われて育った(『8時だョ!全員集合』のある土曜日だけは例外だったが)。中学生になっても夜11時までやる映画を最後まで見られたときは、寝なかったというだけで感動した。9時までに寝ることもざらだった。

初めて6時間睡眠でも生きていかれると知ったのは、高1のそれも多分3学期だった。まあ、たいてい6時間睡眠のときは下痢をしたが。高1の担任であり、高2まで英文解釈の担当だった先生は、1日3、4時間しか寝ていないと豪語していて、高校生のときは短時間睡眠を自分なりに工夫もしてきた。しかし、どれもうまくいかなかった。

大学に入ってからだったか、浪人しているときだったか、アインシュタインは1日10時間寝ていて、それくらい寝ないと頭がスッキリしない、ただしアインシュタインは寝ているときも脳が思考状態だったらしいというのを何かで読んだ。それ以来、短時間睡眠の努力は放棄した。

大学1年から2年になる際の春休みは、夏休みよりも長く2ヵ月半もあった。この期間、私は雨が降る日以外は一切の外出をしないと決めて、そして、1日8時間物理や数学の勉強をして、9時間眠るという生活をした。

このときのことは未だに忘れない。最も頭脳明晰だった期間だ。今にして思えば、やっている内容が易しかったということもあると思うが、とにかく一度テキストを読んだだけでスラスラ頭に入った。大学2年の前期の物理や数学のカリキュラムにある理論系の内容は、ほぼすべて独学できた。花粉症で目がかゆくて、かゆくて、鼻水タレの鼻づまり、のどや耳の奥もかゆくてたまらん状態であったにもかかわらず、である。

ただ10時間寝たことがあったが、そのときはダメだった。もともと花粉症で風邪の症状と区別がつきづらいのだが、寝すぎて体調を崩してしまった。

就職してしばらくはやはり8時間くらい寝ていたと思うが、最近の私はすっかり睡眠時間が短くなった。寝たいときに寝て、目覚ましなしで起きることが圧倒的に多い。けっこう自分の睡眠法には自信を持ってきていたところだったのだが…。

睡眠のメカニズムからくる理想的な睡眠とは?

第1章に睡眠のメカニズムが書いてあって、レム睡眠とノンレム睡眠くらいはもちろん知っているが、へーへーということがいっぱい書いてあった。多くの研究によると睡眠時間は7時間が理想らしい。まあ、個人差もあるとは思うが、カリフォルニア大学の調査では、6.5時間~7.5時間の人の死亡率が低いらしい(人はいつか死ぬんだから、この死亡率の定義がよくわからん。まあ、長生きということだろう)。

寝るときは体の奥の体温(深部体温)が下がり、その熱を外に逃がすために体表面に熱が出てきて、寝る前に手足が温かくなるというのは初めて知った。これはもうへーへーへー…(10へー)である。そういう仕組みがあるので、寝る前の風呂は良くないと。

私の場合、冬には風呂に入って体を温め、それから布団に入るんですけど…。仕事で疲れていて、たいていすぐ熟睡しちゃうけど。場合によっては風呂で朝まで寝ているし。体が冷えたままだとなかなか寝付けないので、間違っていないと思うのだが。風呂で寝ること以外は。

「第2章 睡眠が脳を活性化させる」も興味深い。胎児のある期間はレム睡眠100%で、新生児から死ぬまでに徐々にレム睡眠の割合が減っていく。

レム睡眠は、発育途上の脳の中で、神経回路というハードウェアを整備して、試験運転や整備点検を行い、脳のさらなる発育に貢献しているのです。

言語の獲得も、きっと、こういったことと関係しているんだろうなあ。

脳は連続的に使うと機能が落ちる。そこで、

機能の低下した脳をリペアするのがノンレム睡眠です。

ということだそうだ。レム睡眠とノンレム睡眠のバランスが大事と。レム睡眠を奪うとどうなるかという今では考えられない恐ろしい実験についても出ている。

すぐに役立つ!ケース別の睡眠術

「第3章 快眠できる環境を作る」と「第4章 ケース別の睡眠術」はすぐ役に立つ。最初読んだときは、ダメ出しを連発されたと思ったが、経験的にそうだよなあと思ってきたことも書いてある。この2つの章だけでもこの本を買う価値はあると思う。

ケース別の睡眠術はいろいろなケースについて書かれている。タイトルを全部書き出そうと思ったが、16ものケースについてだったので、やめた。いくつか抜粋すると、

  • 徹夜をする時
  • 早朝に起きる時
  • 短時間睡眠が続く時
  • 半年後の試験に向け、記憶力を高めたい時(学生)
  • 半年後の試験に向け、記憶力を高めたい時(ビジネスマン)
  • かぜを引いた時
  • 昼寝をする時

ここではかぜを引いたときから少しだけ引いておこう。

かぜの治療で求められるのは、まず安静です。安静とは体を休めることで、脳を休める睡眠とは違います。

寝ればいいというものではないのだ。これも経験則と一致する。よくクミゴンは、寝てろとうるさいんだけどな! ただし、この直後に、重いかぜではたっぷり睡眠をとってくださいと書いてある。

終章では睡眠薬の使用についても書かれていて、私は一度も使ったことがないが、場合によっては正しく使うのが良さそうだということがよくわかった。

購入・各種データ

画像は楽天ブックス、文字はアマゾンにリンクを張ってあります。私はhontoで買いました。

睡眠と脳の科学(祥伝社新書)

混沌の間>混沌の書棚>睡眠と脳の科学

初回更新:2014-03-14 (金) 15:12:54
最終更新:2014-03-14 (金) 15:12:54
a:1243 t:1 y:0