老荘を読む

感想など

老荘思想に興味を持った経緯については簡単に「混沌について」のほうに書いたのでここでは省く。最初、老子に興味を持っていて、荘子はその後継者くらいにしか思っていなかったが、この本を読んでまったく考えが変わった。

老子は実在が怪しいが、荘子は間違いなく実在した人物だ。荘子は独創の香りが違う。あれは個人でないとちょっと出てこないものだ。

そんな分析はともかく、とても痛快な本だ。表紙にある、

「知る者は言わず、言う者は知らず」「朝三暮四」
など、多彩な箴言(しんげん)と寓話(ぐうわ)にいろどられ、
二千数百年を生きる『老子』と『荘子』。
その深くはるかな知恵は、無心に遊ぶ赤子の姿、
天空高くはばたく巨鳥の眼を借りて、
欲望と競争に憑(つ)かれた人間を嘲(わら)い、
窮まることのない世界に自在に遊ぶ。

が、本書の本質をあらわしている。古典の解説本ではあるが、特に荘子に関するところは、今風に言えば、なにやら「癒し系」だ。解脱という言葉を知ったのも本書を通じてだ。

老荘に関する本は、今ならもっと他にもいい本が出ているのかもしれないが、学生のころに読んだこととあいまって、私には大きな影響を与えた記念すべき一冊として、ここに記す。

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老荘を読む (講談社現代新書)

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初回更新:2011-11-27 (日) 11:56:16
最終更新:2011-11-27 (日) 11:56:16
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