銃・病原菌・鉄

きっかけ

土井英司の「超」ビジネス書講義』で薦められていて、買おうかどうしようか少し迷っていた。ちょうどそこに同じ著者のジャレド・ダイアモンドの最新刊『昨日までの世界 上・下』がドドーンとワゴンにおいてあり、パラパラ見たらやっぱり面白そうだったので、どっちを先にしようか迷ったが、hontoで1万円の帳尻合わせのため(効率よくポイントがつくのだ)にこっちにした。

なんとも微妙なタイトルだというのが第一印象だが、2000年に単行本が出ていたとは、恥ずかしながらまったく知らなかった。

感想など

いつ読み終わるとも知れないので、章ごとに感想を簡単に書くことにする。

プロローグ

かなり気合入ってます。やはりこれだけで大変な力作というのがわかる。P46にどれほど関連分野が多岐にわたるかということが書かれているが、私などはこれだけでわくわくしてしまう。

日本は島国であり、(ほぼ)単一民族ということもあって、人種偏見は持ちにくい(もしくは表面化しにくい?)国だと思うが、欧米はやはり根強く残っているものなんだなあと思わせる(人種偏見ではないが、欧米人については劣等感、その他のアジア人に対して優越感は根強くあると思う)。

本書について

歴史は、異なる人びとによって異なる経緯をたどったが、それは、人びとのおかれた環境の差異によるものであって、人びとの生物学的な差異によるものではない。

と要約されている。

地理的要因が歴史に何らかの影響をおよぼしたことは明白である。答えが求められているのは、地理的要因が歴史にどれほど影響をあたえたかであり、地理的要因が人類社会の歴史に見られる大きなパターンを説明できるか否かである。

この疑問に答えるのに機は熟しているという。ふむふむ。

第1章 1万3000年前のスタートライン

P65に人類の拡散の様子の図が出ている。これを見るといわゆる新大陸は、西洋史偏重の価値観とは別に、本質的な意味で人類にとってやはり新大陸だったということがわかる。アメリカ大陸に人類がいつごろ入り、どのくらいのスピードで広がっていったかの考察は興味深い。

ネアンデルタール人がクロマニョン人に滅ぼされたらしいことはあっさり書いてあるが、人類の進出が大型動物をいろいろな地域で絶滅させたことに関しては、反論も含めてややくわしく書いてある。これらについては今までいくつかの本で読んで知っていたが、反論については知らなかったし、なによりも大型動物が絶滅したために家畜化できなかったという指摘は(多分)初めて知った。

第9章、第12章のタイトルにはそれぞれ家畜という単語が入っているから、伏線としてその先を読むのがとても楽しみになった。

それにしても、ネアンデルタール人を滅ぼしたことや大型動物を絶滅に追いやったことなど、まさにヒトはその地域にとって外来種という思いを私は強くする。

第2章 平和の民と戦う民の分かれ道

ガラパゴス諸島のフィンチの嘴(くちばし)が、環境によって異なるというのはダーウィンの進化論関連でよく出てくる話だが、それのヒト版のような話。ただし、生物としての進化ではなく文化の進化というか分化の話だ。元は同じ種族でも自然環境でこうも異なる結果になるということが、ポリネシアを例に説得力を持って紹介される。先に興味をつなぐような実質的にはイントロのような章だ。

やはりカギは農業なのか、と思った。

購入・各種データ

画像は楽天ブックス、文字はアマゾンにリンクを張ってあります。

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)

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初回更新:2013-03-18 (月) 02:49:38
最終更新:2013-03-21 (木) 13:48:38
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