はじめに ~18未満も歓迎します~

このページは『広辞苑』の(1)の意味についてまじめに考えるところです。ですので、その手の話に耐性のある18歳未満も歓迎します。一方で年齢がいくつになってもだめな方はだめかもしれません。先入観でコチコチで、そこから離れる気がない方は今のうちにお立ち去りください。こんな考え方もあるのかと柔軟にとらえられる方だけ先にお進みください。

なお、(3)についても幅広い関心をお持ちのある方には、「盗撮の館」もございます。体位の研究のページがあります。

諸注意

私は大学院の修士課程まででていますが、専門は物理で生物ではありません。まあ、物理も最後は全然勉強しなかったので、アレなんですが、生物にいたってはど素人です。社会科学、人文科学はなおさらです。ここ「SEXの歓び」で述べることは、一般向けの本で読んだことを中心に自分なりに考え、それをまとめたものです。内容を鵜呑みにしないでください。内容の本質にそった専門的なツッコミは歓迎します。

一応の専門が物理ということもあって、私はすべて原理原則から導こうとする癖があります。森羅万象、世の中がどのような法則で成り立っているかに多大な興味があります。セックスについても同様です。

セックスの謎

生物とは?

生物の定義というのは、はっきりとしたものは必ずしもないようなのですが、うん、そうだなと私が納得しているのは、次の2つを満たすものが生物というものです。

  1. 代謝
  2. 生殖

代謝とは、外から物質を取り入れて、それを利用し、不要物を外に出すことと私は理解しています。前提として、内側と外側の区別が必要になりますが、その内側が生物を作っているものです。

例えば、自動車は外からガソリンと空気(酸素)を取り入れ、効率よく燃やすことでエネルギーを取り出し、走ります。そして、排気ガスを外に出します。これだと代謝を行っていることになります。実際の代謝では、外から取り入れた物質で自らの身体を作っていくので、厳密にはこの場合は代謝とはいえないかもしれませんが。

生殖とは、子孫を残すことです。

自動車は(少なくとも最終段階の組み立てでは)かなりの部分ロボットで作られるのを今は亡き日産の武蔵野工場で四半世紀以上前に見学して鳥肌立つほど感動しましたが、自動車自らが自動車を作っているわけではありません。そのため、自動車は生物ではないといえます。

この定義にのっとると、ロボットが自らを修理し、次の代を作るようになったら、そのロボットは生物ということになりますね。そういう世界が来るかどうかはわかりませんが…。

生殖がすべて

生物に生きる目的をあえて見出すなら、ただひたすら子孫を残す。それに尽きると思います。つまり、生殖がすべてです。ここは、ヒトの世界から異論が噴出しそうです。無視して先に進みます。

生物の身体はすべて物質からできています。それもこの身の回りにたくさんあり、かつ利用しやすい物質からできています。

例えば窒素は大気中に約8割ありますが、三重結合をしており、化学的に安定しているので、なかなか簡単に体内には取り込めません。この窒素をいかに体内に取り込み、我々の体を作っているタンパク質を合成するか、代謝はそれを中心に行われているといっても過言ではないはず。そして、そのための壮絶なドラマが地球上で瞬間、瞬間行われています。われわれ動物が動いて、何かを食べるのもまさにそのため。

生殖がすべてだったのではないかという声が聞こえてきそうですが、ええ、いわゆるわれわれ高等生物は死んじゃいますからね(なぜ死ぬかというのは生命の本質でもあり、面白いのですがここではカットします)。生殖のためにいろいろやっているだけだと言い切れます。よりくわしく知りたければリチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』をどうぞ。

ちなみに、単細胞生物には「死」がありません。もちろん、生きているので殺せば死にますけど。Aという個体が細胞分裂してBとCになると、Aは死んだともいえますし、BとCになったともいえます。BとCはAのそっくりさん、クローンなのでそういう意味で単細胞生物は不死です。ではなぜ増えるのか?目的が生殖だからです。

私が理解しているところでは、正確には「目的が生殖」だからではありません。そもそも目的なんかないんです。ただ、増殖しているだけ。増殖するから今に至るまで残っているだけ。ヒトという生物が「目的を追求したり、何かに意味を見出そうとする癖がある」からそう思い込んでしまうだけです。なぜそういう癖があるかというと、そういうヒトたちが生き残ってきたから。そのほうが生殖に有利だったから。すべてはそこに帰着します。

物はなぜ下に落ちるのか、月はなぜ地球の周りを回り、落ちてこないのか。そこに法則はありますが、目的はありません。同じように生物が生きる目的はありませんが、法則はあります。また、目的を見出すことはできます。ただ、本質的には目的は存在しない。ただ、そうなっているだけ。突き詰めれば、自然界の4つの力

  1. 強い力
  2. 電磁力
  3. 弱い力
  4. 重力

による相互作用がそこにはあるだけ。ただし、物理現象をいくら研究しても、生物の謎は一部しか解けない。いくら物質の成り立ちを研究しても、サッカーはうまくならないでしょう。セックスでもいいけど。同じことです。

というわけで、生物の究極の目的は何もないけども、あえて言えば、ただ、増殖するだけという前提で、この後の話はすべて進みます。これが受け入れらない方はさようなら。ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

有性生殖の謎

生殖の仕方には無性生殖と有性生殖がありますが、なぜ有性生殖が生まれたのか、つまり、なぜわざわざ雄と雌(もしくはそれに相当するもの)ができたのか、未だに決定打はないようですね。私は単純に、やはりその方が有利だったからだろうと思っていましたが、『生命の跳躍』の「5:有性生殖」を読むとどうも事情はそんなに簡単ではなさそうなんですね。

少し当該箇所を読み返し始めましたが、けっこう時間がかかりそうなので、ここでは、なぜ有性生殖かということはスルーしていきたいと思います。とにかくヒトは有性生殖である、オスとメスがある、そこからスタートします。

重い卵子に軽い精子

重い卵子に軽い精子というとなんだか、素粒子の話をしているような気になってきましたが…。有性生殖に絡めて、本当は減数分裂にも触れないといけないのでしょうが、カット。

さて、卵子と精子が似たようなものだったらそもそもメスとオスの違いもなかったはず。卵子は大きく、重く、数が少ないのに対し、精子は小さく、軽く、数が多い。この非対称性こそ、オスとメスの違いのすべての起源

なぜ重いと軽いのペアしかなく、重い同士、軽い同士のペアがないかということに関しては、長谷川真理子の『オスとメス=性の不思議』の最初の方に仮説が書いてあります。それについて知ったのはこの本が初めてで、そして、不思議なことにこの本以外では読んだことありません(記憶違いでなければ)。単に私がその手の本を読んでいないだけかもしれませんが。1993年に出版の本なので少し手に入りにくいかもしれませんが、今アマゾン見たら中古で100円もしなかった!これはお買い得!読みやすくて興味深い内容満載ですよ!

つづく


混沌の間>SEXの歓び

初回更新:2015-08-14 (金) 11:36:59
最終更新:2015-08-25 (火) 12:17:46
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