植物の分類が、これまた頭が痛い。庭の観察という意味では、伝統的な新エングラーの体系がきっとわかりやすい。それでも、門や綱の分け方、名前のつけ方は出ているものによって異なる。ここでは門の数を一番絞ったものにする。するとたったの3つになる。動物界の10分の1。さらに、学校で学ぶ植物用語をよくばってとりこむ。学校の教科書は(2002年以降は知らないが)新エングラーに沿っているので、相性がよい。
いわゆるコケ。茎がない。そのため、地表からそびえ立つことができず、変な表現だが、草ではない。昔の人が木に生えた毛ということで「木毛」という字をあてたのも納得できる。最初に陸上に進出した植物はコケであり、長い歴史と小ささゆえに多様性に富んでいる。調べれば相当面白いはずなのだが、いかんせん小さくて観察しづらく、関連書籍もこれはというよい本になかなか巡り合えない。
コケの中ではもっとも多様性に富んでおり、それゆえ、特徴を一言でいうのは難しい。4つの亜綱からなり、世界中の!教科書にも出てくるスギゴケはマゴケ亜綱のスギゴケ目に属する。
こちらも教科書に出ている(そしてうちの庭でも大繁殖している)ゼニゴケはゼニゴケ亜綱のゼニゴケ目に属する。ゼニゴケ亜綱は配偶体がすべて葉状である。小さい葉が地面に直接たくさん生えているような感じである。もうひとつはウロコゴケ亜綱であり、タイ類の大部分を占める。こちらのほうは、配偶体が茎と葉に分化した茎葉状のものもある。
角状の胞子体をもつ。配偶体は葉状で、タイ類に分類されていたこともある。
維管束をもつ植物。維管束は、植物の体を支える働きと水分や養分を植物の各部へ運ぶ働きがある。維管束のおかげで植物は大型化できた。
いわゆるシダ。デボン紀から石炭紀(3億6000年前〜)には、木生のものが大繁栄して大森林を作っていた。それが現在では化石化して石炭となっている。現存する木生シダはごく一部で、ほとんどが草本である。
現存するものは2科しかなく、他のシダとは系統が大きく離れている。系統進化の初期に系統が分かれ、細々と残っていると考えられている。絶滅した原始的なシダとの類縁が指摘されている。
他のシダ植物門の3綱とは最も類縁が遠く、デボン紀の初期から系統が分かれたと考えられている。
いわゆる「つくしんぼ」は、スギナの胞子体で、ここに含まれる。他のシダとは系統が大きく離れる。1科1属15種しか現存しない。
シダで一番大きなグループ(シダ植物門の9割)。いわゆる「シダ」。
コケやシダは胞子を作るが、以下が種子で増える植物。狭い意味で植物といえば花を咲かせる種子植物だろう。
子房がなくて、胚珠がむき出しで裸。それならば「裸胚珠植物」というべきだと思うが。虫が花粉を運ぶわけではないので、花は地味。花という華やかなイメージとは程遠い。裸子植物はすべて木本生。
なじみがないと思ったら、熱帯雨林のグネツム属、温帯の乾燥地帯のマオウ属、ナミビアのナミブ砂漠のウィルウィチア属ウィルウィチア(和名:奇想天外)しかないので無理もない。しかし、被子植物に一番近いとされる。
イチョウ目イチョウ科イチョウの1種しか現存しない。あとはすべて絶滅。がんばれイチョウ。おいらは銀杏が大好きだ。果実のつぶれた臭いはパスだけど。
日本では温暖な九州から四国に見られるが、園芸用としてはしばしば見かける。
針葉樹。スギやヒノキ、マツなど。コニファーで検索するといろいろ園芸・ガーデニング関係が出てくる。